みるさく雑記

5世代ポケモンプレーヤー

【勝率追求】クイズで学べる技配置学【ポケモンORAS】

こんにちは。みるさくです。

 

この記事の構成

Ⅰ.はじめに

Ⅱ.技配置のあれこれ

Ⅲ.実践問題(全5問)と解説

Ⅳ.まとめ

 

 

Ⅰ.はじめに

今回のテーマは「技配置」

戦術論として議論される分野では少々マイナーな部類かもしれません。

勝率を少しでも上げるために問題形式でシングルレーティング環境における技配置について一緒に学んでいこうという趣旨です。

脱初心者、脱中級者を目指す方向けの記事ですが、解説には上級者の方向けのコラムも多く含まれているので技の仕様さえ知っていれば誰でも楽しむことができます。

 

 

Ⅱ.技配置のあれこれ

ご存じのとおり1体のポケモンにつき技を最大4つまで覚えさせることができます。

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便宜上、上記の画像のように技の位置によってナンバリングをします。

配置される技は  ①>>>>>>>②>③>④  の順に重要とされます。

 

その理由は

  1. 時間切れで技の選択をし損なった時に①の技が自動で選択されるから
  2. Aボタン連打などでついつい①の技を選択してしまう可能性があるから

 

要するに①にはどんな状況でも勝ちを拾える可能性が高い技が来るのが望ましく

①から順番に重要度の高い技、使用頻度の高い技が配置されます。

 

その優先順位の選定基準ですがポピュラーなものは以下の通りです。

➀→④順に

  • 攻撃技>補助技
  • メインウエポン(タイプ一致攻撃技)>サブウエポン(タイプ不一致攻撃技)、役割破壊技
  • タイプ一致補助技>タイプ不一致補助技
  • 優先度0の技>先制技
  • 使用頻度高>低
  • 技の威力高>低
  • 文字数が多>少
  • 色の美的感覚
  • 男は黙って五十音
  • etc...
 従って、上記の条件に当てはめ、先程のウォッシュロトムの技に優先順位をつけて実際の戦闘画面に表すと以下のようになります。
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「攻撃技のハイドロポンプボルトチェンジを比較するとハイドロポンプの方が高威力だから①!ボルトチェンジが②!」
 
「補助技の鬼火と守るを比べると鬼火でスリップダメージが稼げるし、多く使うだろうから③!残りの守るが④!」
 
大雑把な理由付けですがなんだか筋は通っているようですし、色合いも綺麗ですね。
 
 

このように技同士を比較し、総合的に判断して順番を決定します。(勿論、例外も多くそこが問題で狙われます)

 

※ただし以下の点に注意

選択基準が多岐に渡り、人によって判断が変わることは自明です。今回の問題の正誤判断はあくまで正解例、又はNG例として紹介します。必ずしもこれが正しいと決めつけるものでないので「こういう考えもあるのかぁ…」と参考までに留めてもらえれば幸いです。

 

 

 

Ⅲ.実践問題(全5問)と解説

 

それではあなたも実際に技の優先順位をつけてみましょう!

 
第1題    難易度:★★☆☆☆

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ガブリアス@きあいのタスキ

性格:陽気  特性:鮫肌  

調整:183-182(252)-116(4)-*-105-169(252)

役割:積みサイクルのステロ撒きとして主に先発起用

この4つの技を番号順に並び替えなさい。
 

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正解例

  1. 地震
  2. 逆鱗
  3. 岩石封じ
  4. ステルスロック
 
解説

攻撃技と補助技に分けて考えます。

 

補助技について

裏の積みアタッカーの火力を疑似的に上げる補助技のステロを使うことがこのポケモンの主たる役割です。しかし一回ステロを撒いたきり次ターンからは役に立たないので④の位置に来ます。

 

攻撃技について 

  • 岩石封じ

追加効果が優秀で起点づくりに一役買う岩石封じ。タイプ不一致で火力が見込めないので③の位置が妥当でしょう。

 

残りの地震と逆鱗の順序ですが不思議に思った方も多いかもしれません。どちらもタイプ一致技で、威力は逆鱗(120)>地震(100)。威力の面だけ見ると地震のほうが劣っています。しかし、起点作り役のステロ撒きガブリアスは、こちらの控えのポケモンが相手のポケモンに対して有利な対面を作るために柔軟な立ち回りが求められます。つまり、技選択後2〜3ターン行動が拘束されてしまう逆鱗を予期せず選択してしまうと技選択不能により勝てたはずの試合を落としてしまうケースが起こり得ます。また、6世代になり逆鱗よりも地震の通りが良くなったという見解もあります。

 

 そもそもどうして「攻撃技>補助技」なのかというと、このゲームは基本的に相手のポケモンの体力を全て0にしたほうが勝利するゲームなので、与ダメージの期待値が高い攻撃技が優先される傾向にあります。

 

 

 

第2題    難易度:★★★★☆

ガルーラ@ガルーラナイト    

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 性格:意地っ張り  特性:肝っ玉→親子愛  

調整:181(4)-194(252)-120-*-120-152(252)

↑メガ進化時

役割:エース運用。猫騙し+捨て身タックルで自分より低速を潰し、猫騙し+不意打ちで高速紙アタッカーを潰す。所謂、猫捨て身と猫不意の複合型。

 この4つの技を番号順に並び替えなさい。

 

下にスクロールで答え

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解例

  1. 捨て身タックル
  2. 地震
  3. 不意打ち
  4. 猫騙

 

解説
このポケモンの役割を見る限り猫騙しが要のように見え、どうしても➀に置きたくなりますがそこが落とし穴。
 
  •  捨て身タックル>猫騙

理由は二つあります。

 

一つ目は、猫騙しは「とりあえず猫騙し」というように気軽に打てる技ではありません。猫騙しはリスクとリターンの管理が難しい技です。例えば、こちらが有利対面の際、猫騙しよりも、(引いてくるであろう)目の前にいる相手と(受けに来るであろう)後続にいる相手に最も打点と一貫性のある捨て身タックルを選択するのがベターだと思われます。他にもタイプ受けしに来やすい相手(ノーマル地面格闘無効のゲンガーなど)に対して、後出しされるのを読んでにメガ進化せず肝っ玉状態でいきなり捨て身タックルをぶち込むことでアド取りできます。よって猫騙しより捨て身タックルのほうが使用頻度は高いと思います。加えて、当てたい相手にピンポイントで当てられる確信がある時か被ダメージを嫌って無償メガ進化をしたい時以外、猫騙しは打つべきでないと思います。有利対面においてガルーラを受けに来た相手に、たかが一致40ダメージを与えたところでサイクル戦でのダメージレースでそこまで優位に立てず、せっかく得ているアドを捨てることになります。

 

二つ目の理由は、第1題で出題したガブリアスステルスロックのように、猫騙しは初手以外では全く役に立ちません。よって誤って連続で選択するのを防ぐために➀の位置に猫騙しは配置されません

 

これは威力の差です。算数レベルの話ですが、威力は不一致80>一致40(60)です。最初に挙げた選定の例で優先度の高い技が後ろに来やすいとあったのは、優先度の高い技は優先度が0の技に比べて威力が低い傾向にあることに起因します。 

 

 

 

第3題    難易度:★★★★★

 ラティオス@いのちのたま

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性格:臆病 特性:浮遊

調整:155-*-100-182(252)-131(4)-178(252)

役割:バンギドリュ軸に組み込み、バンギドリュの苦手な相手を掃除する補完役。ドリュが止まる低火力物理受けを起点に抜きまで考える。

 この4つの技を番号順に並び替えなさい。

 

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正解例

  1. 竜の波動
  2. 竜星群
  3. サイコショック
  4. 瞑想

 

解説
この問題の難易度は高めでした。
しかし、役割の項を噛み砕いて読めばそこまで難解な問題ではありません。
 
このポケモンの役割はあくまでバンギドリュ軸の補完であること。つまり、エースではないので眼鏡ラティオスのように竜星群を打ち逃げするヒットandアウェイ戦法をメインで使うわけではありません。抜きの駒として積んだ上でCが二段階下がる竜星群は打ちたくないものです。よって連発が利いてサイコショック(80)に比べて威力の高い竜の波動(85)が➀になります。竜星群とサイコショックの順番は好みの問題ですが、竜星群が➀を回避できているので威力の高い流星群が②に来ても問題ないですし、そちらのほうが上段がドラゴン、下段がエスパーと見栄えがいいです。
 
  • ではなぜこの型において竜星群が採用されるのか?

それは、この型において竜星群は役割破壊技として必要だからです。

例えば、こちらが無事一回瞑想を積めたとします。その後、相手は死に出しでガルーラを出してきました。

竜の波動
C1↑ラティオスH4振りメガガルーラ
:確定2発(78.4%~93.3%)
 
 竜星群
: 確定1発(102.8%~121.2%)
 
このように、本来瞑想1積み状態でも竜の波動を一発耐えられて返しの冷凍パンチなり捨て身タックルなりで返り討ちにあってしまいます。そこで、どうせ倒されてしまうならCが二段階下がって抜きアタッカーとして役割放棄になったとしても竜星群を採用してメガガルーラの処理ルートを確保することで選出にゆとりができます。元々役割対象外のメガガルーラをなんとか持っていけるという意味での役割破壊です。(あくまで問題サンプルとしての机上論であり、実戦では不意打ち択など発生するので確実に処理できるとは限りません)
 
このような観点で見ると、最初に提示した幾つかあったうちの優先順位の方向付けの「メインウエポン>役割破壊技」という法則に則っていますね。
 
 
 
第4題    難易度:★★★☆☆

 ハッサム@ハッサムナイト

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性格:意地っ張り 特性:ライトメタル→テクニシャン

調整:175(236)-216(212)-167(52)-*-121(4)-96(4)

↑メガ進化後

役割:序盤は蜻蛉返りで相手に負荷をかけつつエース無償降臨のお膳立て役。終盤からは舞って積みエースまでこなせる。またフェアリー受け。 

 この4つの技を番号順に並び替えなさい。

 

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正解例

  1. バレットパンチ
  2. 蜻蛉返り
  3. はたき落とす
  4. 剣の舞

 

解説
技配置界の異端児ハッサム
一般的にもこの配置は多く取り入れられているイメージがあり、実際に正解例のとおりの配置で問題ないのですが、今までの法則を無視したこの並びでなぜ成立するのかを解明したいと思います。
 
威力を比較します。
一致蜻蛉返り(105)>一致テクニ補正込バレパン(90)
蜻蛉返りの方が大きいです。しかし、このポケモンの役割は戦況によって目まぐるしく変化し、その中に抜きエースという性質も孕んでいます。そして、蜻蛉返りを退場技(大爆発や置き土産のような技)とみなす時、積んだ分を退場することによって帳消しにしてしまうので蜻蛉返りは優遇されないのだと分析します。
 

はたきおとす
タイプ あく 
分類 物理 
威力 65(第六世代 ) 
命中率 100  PP 20 

 

・効果

相手が持ち物を持っていれば、はたきおとす状態にしそのバトルの間だけ持ち物の効果を得られなくする。第六世代 から、相手が持ち物を持っている場合に威力が1.5倍になる。

ちなみに、持ち物がメガストーンの相手には1.5倍補正はかからない上に持ち物すら叩き落とせません。

 

威力を比較します。

持ち物補正不一致叩き落とす(97.5)>一致テクニ補正バレットパンチ(90)

一見、叩き落とすのほうが威力も高いですし、悪タイプ技なので範囲も広く、もし相手の受け先に対し効果が今一つだったとしても持ち物を無効化することができるので腐りにくく非常に有用な技です。しかし、威力に1.5倍の補正がかかるのは相手のポケモン1体につき1回のみでメガを絡めた選出をされると97.5の威力を叩き出せるのは一試合につき最大で2回までです。よって、打てば打つほど与ダメージの期待値は下がっていきます。となると一概に叩き落とすのほうが高威力だとは断定できない上に、バレットパンチと叩き落とすの与ダメージの期待値が多少の誤差はあれほぼ同等だと仮定すると、抜き性能を確保して優先度+1のバレットパンチのほうが汎用性が高いといえます。他にも6世代になり叩き落とすも出世しましたが、フェアリータイプの台頭により鋼タイプは攻撃の面だけ見ると相対的に強化されたのでバレットパンチの価値は上昇しました。

 

 

 

第5題    難易度:★★★★☆

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 グライオン@どくどくだま

性格:腕白 特性:ポイズンヒール

調整:177(212)-116(4)-169(68)-*-96(4)-143(220)

役割:受けループの物理受け

  • 身代わり
  • 守る
  • 地震
  • ハサミギロチン

この4つの技を番号順に並び替えなさい。

 

下にスクロールで答え

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解例

  1. 守る
  2. 身代わり
  3. 地震
  4. ハサミギロチン

 

解説

  • 守る

➀に守るが来るのが正解条件です。

特性ポイヒを活かすために毒毒玉を持たせ猛毒状態になり、まもみがする無限戦法。受けループを運用する上でTOD*1は太い勝ち筋になり、グライオンはTODするための駒になりやすいです。

 

TODをこちらが仕掛ける際、ボタンを押して技を選択するのと時間切れで技を選択するのとでは約1秒ほど時間が変わってきます。

技エフェクト・状態異常のモーションなどで合計何秒かかるかを対戦中に把握し、残り時間から時間切れを逆算することで、守るを使用する毎に生まれる1秒の選択幅がこちらの戦況を大きく有利にします。

 

  • 身代わり

身代わりと守るはセットという見方が強く、ノーマルタイプ技の守るに付随して②に置くことで上段が白に染まるので芸術点が高いです。

 

  •  地震>ハサミギロチン

地震はメインウエポン、ハサミギロチンは役割破壊技という認識なので地震のほうが優先的に前に配置されます。

 

 

Ⅳ.まとめ

お疲れ様です。

いかがでしたか?

「全然正解しなかったよ〜」という方も多いと思います。しかし、大事なのは技の優先順位を選定する行為そのものなので、自分の考えた結論に満足できたならばそれで言うことありません。人それぞれ何に重点を置くか異なるのは当たり前ですからね。

 

ここまでちゃんと解説を読んで察しのいい方ならもうお気づきだと思います。技配置は技構成が同じでも持ち物や調整、役割によって変わってきます。(例えば、第3題で出題したラティオス。積んだり打ち分けたりするという理由で竜の波動>竜星群でしたが、仮に持ち物が拘り眼鏡だとしたらサイクル序盤で相手に最大限の負担を掛け、打ち逃げするのが役割なので竜星群>竜の波動となります。) 

 

 よく「配置を変えたところで試合の勝敗を左右することはないから無視していい」「どうでもいいだろ」と技配置を軽視している人も少なくありません。確かに技配置を変えること自体で変動する勝率は微々たるものです。しかし、技配置を考察することはそのポケモンの役割や立ち回りについて見つめ直す行為に直結します1体のポケモンの役割が明確化されれば、自ずとそれを補完しようと残り5体のポケモンの構想も確固たるものになるはずです。即ち、よく練られたパーティ=勝てるパーティに化け、プレイングも安定します。

 

これだけは断言できます。

 

技配置を笑う者は技配置に泣く。

 

 

 

ここまで読んでいただきありがとうございました!

感想・ご質問等お待ちしてます(^○^)