みるさく雑記

5世代ポケモンプレーヤー

【完全図解】ワンダールームの戦術的分類とWRメガゲンガーの単体考察【ポケモンUSM】

 

好きな技はワンダールーム!みるさくです!

(以下常体)

 

 

 

目次

  • 1.コンセプト
  • 2.ワンダールームの特質と戦術的分類
  • 3.防御的ワンダールーム(DWR)を活用している事例
  • 3-⑴.事例1「砂×弱点保険ウツロイド
  • 3-⑵.事例2「WR×腕白パルシェン
  • 4.攻撃的ワンダールーム(OWR)の罠
  • 5.OWRとサイクルカット
  • 6.メガゲンガー型紹介
  • 7.総括

 

 

 

 

 

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※サムネイルのための画像。後に解説。

 

 

 

 

 

1.コンセプト

今回、紹介するポケモンは「ワンダールーム」を使って、

自らの攻撃範囲を広げたり

受けループを倒したり

起点を作ってサポートもできる

メガゲンガーだ。

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メガゲンガーの単体考察に入る前に、ワンダールームという技にスポットを当て、その特徴を述べる必要がある。

 

※尚、以下「ワンダールーム」のことを「WR」と省略して呼ぶ場合がある。

 

 

 

 

 

2.ワンダールームの特質と戦術的分類

以下がWRの簡易的な説明である。

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(出典:https://yakkun.com/sm/zukan/search/?move=472

 

更なる詳細な仕様については後で述べるが、

BDを5ターンの間逆転させる

優先度0

 

という効果さえ今は認識していただければ理解に差し支えない。

 

 

 

では、どのようにWRを戦術に組み込むか?

 

例えば、

【CSウツロイド(WR)vs ASミミッキュ

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・比較的Bが低くDが高い特殊アタッカーウツロイド

・比較的Bが低くDが高い物理アタッカーミミッキュ

 

の対面。

 

化けの皮まで考慮するとテンプレのアタッカー同士である場合ミミッキュが有利な盤面なのは言うまでもないだろう。

 

 

 

しかし、WRを使用した場合形成は一気に逆転する。

 

つまり、

【WR下では】

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・比較的Bが高くDが低い特殊アタッカーウツロイド

・比較的Bが高くDが低い物理アタッカーミミッキュ

 

というBDの逆転現象が発生し、ウツロイド有利の対面が完成するのだ。

 

 

具体的には

・臆病CSウツロのアシッドボム(皮)+パワージェム(本体)で ASミミッキュは確定1発

・Zを使えばアシボ無しでも本体に確定1発である。

 

・対して、意地 ASミミッキュ無限暗夜への誘いはCSウツロイドに対して半分も入らない

 

以上の例から分かるように、WRを組み込むことによって、使用者側に複数のアドバンテージが発生した。

 

 

 

 

今回は、便宜的に、このアドバンテージを戦術タイプに基づいて、2つに類型化したことを以下に示す。

 

 

防御的ワンダールーム(Defensive Wonder Room / DWR

 

WRを守りに際して利用する戦術。

例.Bの低いウツロイドBを強化させ、ミミッキュ無限暗夜への誘いを受けきる

 

 

 

攻撃的ワンダールーム(Offensive Wonder Room / OWR

 

WRを攻めに際して利用する戦術。

例.Dの高いミミッキュDを弱体化させ、ウツロイドパワージェムで突破

 

 

 

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※口語では、「WR=ワンル」、「DWR=デワル」、「OWR=オワル」と筆者は呼称している。記事が黙読しやすい。

 

 

 

 

 

3.防御的ワンダールーム(DWRを活用している事例

 

では、具体的にはどのように戦略に組み込まれるのか。

 

まず、DWR戦略を活用している事例を2つ取り上げる。

 

 

 

3-⑴.

☆事例1「砂×弱点保険ウツロイド

 WRが嫁技であり、先行研究をなされているt/Tさん(@tTriaak)の記事を紹介する。参考になるのでご覧いただきたい。

 

 

『【S2後期使用】砂ワンダールーム構築 †黒雷の砂漠の白き姫†』

t/Tのパワフルハーブティー

http://www.teaparty-poke.com/entry/2017/03/20/231052

 

※掲載許可取得済

 

 

まず、補足という形で

WRの詳細な仕様と特徴について、完結に、分かりやすくまとめられているので引用させていただく。

 

 

(以下、引用)

第五世代から登場したトリルの親戚みたいなやつ。5ターンの間場に出ているポケモンBDの能力値を入れ替える。優先度は0。

 

ここで言うBDの能力値とは

実数値

突撃チョッキの特防補正

岩タイプの砂嵐の特防補正

・ふしぎなウロコの防御補正

であり、ランク補正や壁のダメージ軽減は入れ替わらない。

 

 

壁との違いとして、BDの開き次第では倍以上の耐久になれること攻撃面での活用もできること2ターンかけずともBD両方に影響があることが特徴。当然この特徴は利点にも欠点にもなり得るが。

 

 

では、前提条件の共有が完了したところで、本題に移ろう。

 

コンセプトとしては、カバウツロの並びで水技を誘い、砂補正の乗った高いDで水Zなどを受けて、弱点保険を発動させ抜きを狙う。

 

また、 WR下では、岩タイプの砂嵐の特防補正も、BD入れ替わり防御補正に回るので、砂が舞っていればガブの地震テッカグヤのヘビーボンバーなどを耐え、弱点保険のトリガーとし返り討ちにできる。

 

「弱点保険発動=積みの引き金」と定義付けるならば、WRによって、特殊ドロポンZであろうと物理地震であろうと起点にできる(物理特殊の積みの範囲外を克服)。

 

これは、ひとえに、ウツロイドのズバ抜けたDの高さ&砂の特防補正低いBとの乖離の産物ではなかろうか。リフレクターではなし得ない芸当である。

 

Bの強化による積み範囲の拡大守備力の上昇が弱点保険発動のトリガーとなりうるので、DWR戦略に分類した。

 

※「抜きの役割を考慮するとアタッカーなのでOWR戦法ではないか」という問いに答えるならば、否である。動きは攻撃的であるが「弱保発動後の抜き性能orビーストブーストに依拠する積み」はWRの類型とは異なる

しかし、例えば「チョッキテッカグヤD補正B補正にひっくり返しパワージェムで突破する」ケースはOWR戦法に該当する。

100%DWRor100%OWRというケースは中々存在しないことを念頭に入れたい。今回のウツロイドDWR戦略寄りである、という文脈での紹介であった。

 

 

 

3-⑵.

☆事例2「WR×腕白パルシェン

先日、私が投稿した記事である。

 

パルシェンはWRを覚えないが、WR始動役と一緒に組むことによって圧倒的な物理耐久特殊耐久を兼ね備えることになる。

 

以下、拙稿を参照されたい。

 

『腕白バリアーパルシェン考察とワンダールームの応用及び「ネオ-積みサイクル理論」提唱【ポケモンUSM】』

みるさく雑記
 http://pureonedodo.hatenablog.com/entry/2018/06/24/225942

 

 

 

コンセプトとしては、もともと高いBに更に性格補正をかけ

基本的に物理ポケモンと対面したら、殻破から入り、上からバリアーでBを上げていく。

殻破→バリアー→殻破…と積み続け2回、できれば3回破る。

というものである。

 

更に、物理耐久を特化させた副産物として、WR下では、特防オバケのパルシェンが完成する。

・臆病コケコの珠10万(EF下)が最高乱数以外耐え

・控えめテテフのサイキネZ(PF下)が最高乱数以外耐え

・控えめスカーフアーゴヨンの前で殻破×2積める

 

このパルシェンはH157B221D66という耐久数値なので、約3.35倍もの物理耐久特殊耐久の差がある。

 

理論上は、H157B221D221からの数値の使い分けで殻破チャンスを手に入れることが出来る(盾⇄剣ギルガルドの実質合計数値が高いというような言説)。

 

事例1になぞると、BDの開きを活かして高火力物理高火力特殊を受けつつ、積みの起点とするので、DWRの分類である。

 

 

※このパルシェンは本記事で紹介するメガゲンガーと組ませていたので、その前提を以降把握していただきたい。

 

 

 

 

 

4.攻撃的ワンダールーム(OWR)の罠

 

次に

 OWRを用いて、攻撃の範囲を広げる戦略に関して、ケーススタディを通して考察していこう。

 

今回は、【vs受けループを想定して話を進める。物理受け/特殊受けなど役割が分かりやすいのが理由である。

 

 

ウツロイドv.s.ラキムドー】のケース

 

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①ウツロvsラキ対面でWR《WR》

②BD逆転させDが弱体化したラッキーに負担をかけようと特殊技を選択。《WR》

③しかし、相手は交換。Dの高い状態のムドーに受けられる。《WR》

④ウツロvsムドー対面でWR《通常》

⑤BD関係が元に戻る。Dが弱体化したムドーに負担をかけようと特殊技を選択。《通常》

⑥しかし、相手は交換。Dの高い状態のラッキーに受けられる…。《通常》

(以下①〜⑥ループ)

 

 

 

 

このように、OWRの局面では、

相手の交代によって効果的に働かず(③、⑥)

WR貼るターンに削られ(①、④)

ダメージレースで不利になる

 


従って、OWRが活きるシーンよりも

事例で挙げたような極端にBDの開きがあるポケモンが、上からWR張ってDWR局面で活躍させる場面の方が多く見受けられる

 

 

 

 

 

5.OWRとサイクルカット

 

しかし、 そんな一癖あるOWRを最大限活用できるポケモンがいる。

 

それはメガゲンガーだ。

 

特性:影踏みによって、相手陣営のサイクルロックすることで先述した OWRの罠を掻い潜ることが可能になるからである。

 

 


【メガゲンvs.ラキムドーバンギ】のケース

 

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①ラッキーにゲンガー後投げ。《通常》

②ゲンガーWR貼る。《WR》

 

【分岐:ラッキー居座りorバンギバック】

 

③'Dが弱体化したラッキー居座り→気合玉で殴る《WR》

③"Dが弱体化したバンギバック→気合玉で殴る《WR》

 

WR下で194メガゲンの気合玉H252メガバンギに対してちょうど確1

 

→バンギさえ突破すれば、ラキムドーを詰められる。

 

 

このように、サイクルを回させないことによって仮想敵に対して確実に対面し、WRの消費をさせずに(ダメージレースで不利にならずに)役割遂行することができる。

 

おまけに、追い討ち枠を自然に呼び出し、択にならずにスマートに狩れるのは強い。

 

 

 

 WRの仕様である、以下2点

砂嵐による岩タイプの特防補正防御補正に回る

突撃チョッキの特防補正防御補正に回る

を踏まえると、

 

受けループにおける追い討ち枠のバンギラスD努力値を割き、B努力値を回す余裕がないという認識なので、WR下メガバンギのH252振りまで意識すれば良いであろう。

 

(ヨプの実や気合玉避けなどが厳しいが、威力補正無の追い討ち程度なら耐えるので気合玉の試行回数は2回以上ある。確率的にはこちらがかなり有利。)

 

 

 

ここで重要なのは、

メガゲンはバンギピンポイントメタではないことだ。つまり、役割の分散である。

 

本来の役割をキープしつつ、

汎用性を損なうことなく

安定行動をするだけで

追い討ち枠であるバンギを返討ちにできるのだ。

 

 

ここでは

WR」は攻撃範囲を広げる「積み技

であり、

WR下気合玉」は特殊受け・追い討ち枠に対する「役割破壊技

であるいう認識だ。

 

 

メガゲンガーのBD差は皆無で、DWR戦略としては扱いづらい。しかし、特殊受け・追い討ち枠のD弱体化させ特殊技を通す戦術なので、OWR戦略に類型される。

 

 

 

 

 

5.メガゲンガー型紹介

では、ここでメガゲンガーの型紹介に移る。

 

【基本データ】

ゲンガー

持ち物:ゲンガナイト

性格:臆病

特性:呪われボディ→影踏み

努力値:188-x-4-28-36-252

実数値:159-x-101-194-120-200 (メガ時)

技構成:祟り目 気合玉 鬼火 ワンダールーム

 

 

【調整】

H:16n-1

 

B:ステロ+A2↑メガルカリオバレP最高乱数以外耐え

 

C:

通常状態で

HD特化ドヒドイデ補正有祟り目×2+火傷ダメ×3で確定

 

WR下で

H252メガバンギ気合玉確定1発

HB特化輝石ラッキー気合玉確定2発

 

D:メガゲンミラーのシャドボ乱数意識で振れるまで

無補正サザンドラ悪の波動確定耐え

 

S:130族ミラー意識で最速

ゲッコウガを抜けると気合玉で処理or WRでパルの起点にできる。

 

 

【解説】

技について、

上3ウェポン(祟り目 気合玉 鬼火)で通常の祟り目ゲンガーとしての汎用性を確保している。

 

WR

技範囲を広げるため積み技であり

自身の技が役割破壊技となる可能性があり、

決定力の向上となる。

③また、後ろの極端にBDの開きがあるポケモンのため起点作成技にもなり、サポート役ともなる。

 

 

ポケモンにおける「ピンポイントメタ」や「〇〇絶対殺すマン」は選出を圧迫するため弱いと思っている。故に、どんな構築にも出せるように意識した。

 

そのため、追い討ち枠であるアローラベトベトンに対しては、混乱実リサイクルも考慮すると勝てないので受けループに必勝ではない。

 

(受けルキラーと銘打っておいて申し訳ないので、後日WRを用いたアローラベトベトンにも勝てる単体受けルキラー草案を投稿する。)

追記:

【補完記事】受けル崩壊ワンダールームカプ・テテフポケモンUSM】

http://pureonedodo.hatenablog.com/entry/2018/07/06/173540

 

 

慎重グライオンに対しても、補正有祟り目で確定1発にはできず、地震で切り返される可能性がある。

 

しかし、事例2 で紹介したパルシェンと組み合わせることによって、ベトベトン対面では鬼火を撒くことで、ベトングライを起点にパルが積むことができる。WR下では吹き飛ばされる前にエアームド氷柱針で突破できる。

 

加えて、パルの苦手なルカリオグロス軸に積極的選出することで補完が取れる。

 

 

【サイクルロック】

メガゲンガーが 他のWR始動役一線を画す根拠は、OWR戦術による攻撃性能だけでなく

 

・高いSからの散り際の先制WRによる後続のサポート性能

影踏みによる後続の確定「起点対面」作成性能

にある。

 

 

具体的にゲンガー➕パルシェンで説明すると

ワンダールームはターン制約がある以上、サイクルを回されることが攻守ともに弱点なので、それを補うサイクルカットメガゲンガー。 

 

パルは殻破をする機会を1度でも貰えれば決定力が格段にあがるので後のサイクルも無視できる。故に良相性なのである。

 

同じ理由で、特殊相手に一度でも殻破を積めればいいので、ワンルが残り1ターンであっても機能する。トリルエースのようにターン数が足りなくなる場面は、ほとんど見受けられなかった。

 

また、テッカグヤなどに対しても鬼火を撒いた上でワンダールームをすれば、高火力でもないので両刀だろうが宿り木されようがガン起点になるので強かった。)

 

積み構築における、欠伸戦法などは「相手が1ターンでも眠っていればいい。その隙に積む」といったスタンスである。

 

それと同じく、

影踏みによって「1ターンでも起点対面が作られれば、その隙に積める」のだ。

 

メガゲンガーが先制で WRを打って落ちるor交代することで、裏のポケモンの起点となる対面を確実に作ることができる。

 

 

 

 

 

6.総括

今回は、ワンダールームを用いた戦術の紹介とその類型をした。

 

そして、

サイクルロックWR によって

 

OWRの罠を克服する

・後続の起点となる対面を確実に作る

 

ことに成功した、という結論を以って結びとする。

 

 

 

 

 

 

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。ご意見・ご批判は以下まで。

 

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